Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

スピリチュアル・ジャズの巨匠が六本木に降臨

2011年10月24日

 ファラオ・サンダース4tet@ビルボードライブ東京。同店のホームページに寄稿したライヴ・レポートを以下に再録する。
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 ファラオ・サンダースが遂に「ビルボードライブ東京」に初出演した。フリー・ジャズの嵐が吹き荒れた激動の1960年代に、ジョン・コルトレーン・グループでの鮮烈なプレイでその名を知らしめたテナー・サックス奏者。90年代以降はスピリチュアル・ジャズの人気と共に再評価され、来日公演で感動を呼んできた。
初日ファースト・ステージはまずアップ・テンポのナンバーからスタート。テナー・ソロはいつ果てるともなく続き、結局15分もの長時間にわたった。このロング・ソロはコルトレーンから受け継いだ演奏スタイルの1つにほかならない。その後ファラオはステージから姿を消して、予想通りメンバー3人による長いソロ・リレーが続く。再びトリオ演奏に戻ったのだがファラオは現れず、時間が過ぎてゆく。何か事故でもあったのかと不安がよぎる中、ようやく再登場しテナー・ソロで40分間の楽曲を締めた。このハラハラ、ドキドキ感も計算済みなのだろうか。2曲目にコルトレーン作曲のバラード「ナイーマ」を正調で演奏。ここで1曲目とのコントラストが生きた。
ラスト・ナンバーでは観客から自然に手拍子が起こると、気を良くしたファラオは踊りながらメンバーを紹介。「The creator has a master plan」の歌声に、今夜がコルトレーンに捧げたステージであることを改めて印象付けたのだった。

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