Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

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休日でもライヴをはしご

2010年08月01日

 午後6:00開演のグラント・スチュワート4@TokyoTUCへ。ソニー・ロリンズに捧げた新作『セント・トーマス』のレコ発ツアーである。「ウディン・ユー」「メイク・サムワン・ハッピー」「いそしぎ」、テナー&トランペット・デュオの「スターダスト」等を演奏。平賀マリカがゲスト参加した「A列車で行こう」がステージに華を添えた。今回はファンからリクエストを募った選曲ということで、大いに訴求した。終演後、数年前にインタヴューしたことがあるヴァレリー・ジョイス(vo)と談笑。スチュワート4のピアニストであるデヴィッド・ヘイゼルタインとも、10年以上前の取材以来の再会を祝った。
 その後、お茶の水「NARU」へ移動し、西山瞳3を観る。西山はアメリカで主催された「国際作曲コンペティション2009」で上位入賞をしており、演奏活動と同等に力を入れている作曲活動が海外でも評価された格好だ。今夜はその受賞曲「アンフォルディング・ユニヴァース」を披露。佐藤秦彦でなければ演奏できないというベースの難曲を体感できたのが大収穫。池長一美(ds)を含むこのトリオが、今最も聴かれるべき邦人トリオだと感じた夜だった。

関西のヴォーカリストの帰国記念ライヴ

2010年08月02日

ドン・フリードマンとの共演第2弾を大阪の自店でレコーディングし、気力充実の清水ひろみ(vo)は、多田恵美子(p)とのデュオで7月17日にイタリア《ウンブリア・ジャズ》、21日にはフランス《アンティーブ・ジュアン・レパン国際ジャズ・フェスティバル》に出演。日本人ヴォーカリストの魅力をアピールした。今夜は東京でのレギュラー・ヴェニューである代々木NARU公演を観た。おそらく初めての共演となる田村和大(p)+平岡雄一郎(g)がバックアップ。海外で舞台度胸がついた清水の新展開を聴いた。

日米女性ピアニストのデュオ・ライヴ

2010年08月06日

 新宿「ピットイン」では「ピアノ・デュオ 3ナイツ+1」と題した連続特集を開催中。第2夜の藤井郷子×マイラ・メルフォードを観た。メルフォードの来日公演は、10年近く前に橋本一子とのデュオを法政大学で観ており、3年前の藤井とのデュオにも立ち会っている。デビュー作から絶やさずにウォッチし、自分の媒体で紹介してきた重要ピアニストなのだ。今夜はファースト・セットが全編即興によるデュオ。セカンド・セットはメルフォードのソロでアンドリュー・ヒルとオリジナルを演奏。続いて藤井とのデュオに予定外のゲストとして田村夏樹(tp)と大熊ワタル(cl)が加わって、まさかの展開となった。前回同様、今回もメルフォードは観光が主な目的の来日だったようだ。いつかアルバムと同じ自身のバンドでの来日を切望したい。

邦人ピアニストの華やかなクラブ・ライヴ

2010年08月11日

 宮野寛子@目黒「ブルース・アレイ・ジャパン」。今夜はレギュラー・トリオにゲスト2名が加わるステージだ。当初アナウンスされていたアコーディオンの桑山哲也が怪我のため不参加となり、その代役としてヴォーカリストのShihoが協力。当初スケジュールされたギタリスト横田明紀男と共に、フライド・プライドの2人がゲストという格好になった。ステージは宮野のレパートリーとFPのレパートリーで構成し、両者のジョイント・コンサートの様相を呈した。それにしてもFPの個性は強烈で、Shihoが観客を促した「宮野寛子サイコー!」は、このゲスト・チェンジが予期せぬ効果を生んだサプライズと言っていい。鳥越啓介+藤井学とのトリオは安定感が増した印象。Moet & Chandonのシャンパンがサービスされたセレブ感も楽しめた。

最高齢現役ドラマーの健在ステージ

2010年08月16日

 ロイ・ヘインズ@ブルーノート東京。85歳は確かに高齢だが、ヘインズには時代とスタイルを超えた柔軟性を兼ね備えた、他に例のない音楽性があって、驚異的なキャリアの支柱となっている。ジャリール・ショウ(sax)ら、孫ほども世代の異なるメンバーを率いたステージは、まさに戦後ジャズ史の生き証人を観る思いだった。セロニアス・モンクの2曲「グリーン・チムニーズ」「トリンクル・ティンクル」を取り上げて、ピアノの巨人をトリビュートしたのも印象深かった。

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