Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

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欧日のトップ・ギタリストの共演

2010年04月03日

 アイスランドを代表するジャズ・ギタリストのビヨルン・ソロッドセンが来日。前日に渡辺香津美ギター生活40周年記念スペシャル・セッション@ピットインでゲスト共演した流れで、本日はデュオ@アイスランド大使館に足を運んだ。2人の関係は渡辺がアイスランドを訪れた数年前に始まる。デュオとしてのステージは今夜が初めて。ビヨルンからは以前、CDと資料キットを送ってもらっていて、終演後の面談も楽しみにしていた。「ノルウェ?の森」で始まったステージは、「ウエイヴ」「スペイン」「オレオ」「雲」と、偶然だと思うが1文字曲名の名曲多数で進行。高い技術を持つ2人が、共演歴がそれほど多いわけではないのに、長年の友のように自然な感覚で深く語り合うのが驚き。アコ・ギターでの渡辺の魅力を再認識した。最期のアンコールを「ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア」で締めたことで、オープニングとエンディングにビートルズを配した構成となった。会場にはアイスランドを愛する人々が集い、同国の魅力的な文化を日本に伝える意味でも有意義なイヴェントであった。

日本とスウェーデンの新たな架け橋

2010年04月05日

 スウェーデンに移住して今年で30年になるベーシストの森泰人は、同国と日本のジャズ・アンバサダーと呼ぶのがふさわしい活動を続けている。その地道な歩みは、現在のようにヨーロッパのジャズが日本に定着する以前からのものであり、舞台裏を知る自分にとっては本当に頭が下がる思いだ。スィーモン・ヴェストマン(p)+セバスティアン・カプティーン(ds)とのトリオに、若手女性ヴォーカリスト=マリア・リランデルが加わったステージは、「シーズ・リーヴィング・ホーム」「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」のビートルズ・ナンバーのほか、マリアのオリジナルやスウェーデンが誇る名手ラーシュ・グリンのナンバーを演奏。チック・コリア“トリオ・ミュージック”のアレンジを拝借したと思われる「サマーナイト」が興味深い仕上がりだった。

日本とフィンランドのコラボ・ユニット

2010年04月06日

 渋谷JZ Bratに着くと、トランペッターのユッカ・エスコラが休憩していたところ。ぼくが2005年にヘルシンキ取材をした時に現地で知り合って以来、日本での交流を重ねている。今夜はニクラス・ウインター(g)をリーダー格に、以前からニクラスと交流がある新澤健一郎(p)トリオとの日欧合体クインテットのライヴだ。受け入れ準備万端の日本勢は、おそらくどんなリクエストにも対応できるテクニシャン揃い。フィンランド勢はファイヴ・コーナーズ・クインテットのメンバーで日本でも人気が高いエスコラが健闘。しかし肝心のリーダーであるニクラスの体調が不良だったようで、本領を発揮することができなかった。毎年のように来日しているニクラスには、次回のリヴェンジを期待したい。

北欧の人気バンドが再来日

2010年04月10日

 ノルウェーとスウェーデンの若手ミュージシャンからなる5人編成のアトミックが、新宿ピットインに帰ってきた。満員の客席であることも含めて、日本で最も成功している北欧ジャズ・ユニットの力を示した。

トップ女優の新たな挑戦

2010年04月21日

 1?2月にコンサート・ツアーを成功させた松たか子が、その余韻も冷めぬまま、今年初めての舞台に臨んだ。『2人の夫とわたしの事情』@渋谷シアターコクーン。たかちゃん演じる戦争未亡人が、夫の親友と再婚するも、死んだはずの前夫が現れて、さあ大変!サマセット・モームの原作を、人気演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチがリメイク。これまでのたかちゃんの芝居にはないタイプの作品で、新境地を開いたのが収穫だった。

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パリのイタリアン・ピアニストが再来日

2010年04月23日

 ジョヴァンニ・ミラバッシが1年ぶり、7年連続の来日公演を「ブルーノート東京」で行った。前回と同じ顔ぶれのレギュラー・トリオによるステージ。ミラバッシとレオン・パーカー(ds)とのコンビネーションが光った。詳しくは「スイングジャーナル」7月号のライヴ・レポートを見てほしい。

プレシャス・モーメンツ

2010年04月24日

 2008年に『プレシャス・モーメンツ』でアルバム・デビューしたピアニスト宮野寛子。気になってはいたのだが、なかなかその音楽に接する機会がなかった。今夜は初めてのライヴを六本木「Soft Wind」で観る。メンバーはレコーディングにも参加した鳥越啓介(b)+藤井学(ds)とのトリオ。この2リズムは他のピアニストのサポート仕事も行っている売れっ子だが、宮野にとっては特別な思いがあるレギュラー・トリオだという。ファースト・セットはデビュー作から選曲せず、その後に生まれたオリジナル曲を中心としたプログラムだった。同作から2年が経ち、自作のストックが増えて、そろそろ新作に取り組む時期に来ているのかもしれない。セカンド・セットは「エヴリ・ステップ・オブ・ザ・ウエイ」でスタート。宮野が影響を受けたデヴィッド・ベノワの代表曲(アルバム未収録曲)を生で聴けたのは嬉しかった。邦人女性ピアニストのトップ・グループがテクニカルな方向に走る中、宮野の音楽性は独自の魅力を放っている。

六本木でのレコ発ライヴ

2010年04月26日

 メジャー・デビューから早いもので10年。長らく所属したレーベルからの移籍作『ジャスト・シング』を1月にリリースしたヴォーカリスト小林桂は、気がつけば30歳の節目を迎えていた。今夜は新作の発売を記念したライヴ@ビルボードライブ東京。女性に比べて、男性の層が厚いとは言えない邦人ジャズ・ヴォーカル界にあって、小林はこの10年間、シーンの先頭を走ってきた功労者と言えよう。新作収録曲を中心にしたステージは、実父小林洋(p)が音楽監督を務めたもので、息子が父を「おとう」と呼称したのが何ともほのぼのとした雰囲気を醸し出していた。

青山のブラジリアン・ナイト

2010年04月29日

 TOYONO@青山プラッサオンゼ。ブラジル音楽を柱とするヴォーカリストのライヴを観た。同店は約30年前から経営されているこのジャンルの老舗。ボサノヴァとサンバ、さらにJポップも取り入れたレパートリーを楽しんだ。フローラ・プリムを想起させるナンバーがあり、終演後に本人に確認したところ、やはりフローラのファンだと知って納得。ギタリスト竹中俊二の巧技も特筆したい。

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