Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

東京JAZZ 2011 2日目

2011年09月03日

 今回のフェスティヴァルは例年通り、東京国際フォーラムホールAのメイン会場と、無料提供の地上広場で開催されるばかりでなく、初の試みとしてホールAと同時間帯に地上広場出演者が登場するホールD7公演が行われた。10周年を迎えた新企画は意欲的である一方で、ホールAのプログラムとバッティングする悩ましい問題が生まれた。ぼくはすべてのスケジュールを精査した上で、自分のための取材スケジュールを組み、3ヵ所を移動することを決定。昼の部はD7のレミ・パノシアン3からスタート。最新作『Add Fiction』のライナーノーツを書いたこともあり、注目していた。内部演奏やピアノを叩くトリッキーな動きを見せ、CDだけではわからなかった姿を体感できた。
 ホールAへ移動し、14:05から寺井尚子&リシャール・ガリアーノ。2008年のこの大舞台で、急遽決まったガリアーノとの共演を見事に務め上げたことで、寺井はさらに名声を高めた。2人の再会ステージは再度寺井にとってのチャレンジとなる12人編成のストリングス+ピアノのオーケストラ・カメラータ・ドゥカーレとの初共演だ。「オブリヴィオン」「リベルタンゴ」等、アストル・ピアソラのレパートリーで、亡き巨星を追悼した。引き続きホールAにミシェル・ルグラン3が出演。フランス・ポピュラー音楽界の巨匠は、サーヴィス精神が旺盛で、「これからの人生」等ではヴォーカルも披露。「シェルブールの雨傘」ではスローとアップの2種リズムを使用し、まだまだ衰えぬ表現意欲を示してくれた。
 夜の部はホールD7のトルド・グスタフセンで始まり、ホールAへ移動してインコグニート?上原ひろみザ・トリオ・プロジェクトを観る。新作『ヴォイス』のレコーディング・メンバーによる上原の日本でのお披露目ライヴは、期待に違わぬ圧倒的なパフォーマンス。「マイ・フェイヴァリット・シングス」を引用したピアノ・ソロにも共感した。その後、再びホールD7に戻って、アムステルダム・ジャズ・コネクションを鑑賞。大忙しの1日だった。

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