Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

東京JAZZ 2011 最終日

2011年09月04日

 昼の部はホールD7のシニッカ・ランゲランから。北欧の伝統弦楽器カンテレを奏しながら、伝承音楽を歌うソロ・パフォーマーだ。近年、日本にも紹介されつつある民族音楽が、この場で披露されたことに価値がある。昨年の来日時に八木美知依から琴の奏法を習い、取り入れた演奏も興味深く聴いた。引き続き同会場でポーランドのアガ・ザリヤンを観る。メンバーは明かされていなかったが、蓋を開ければミハウ・トカイ(p)、ウカシュ・ジダ(ds)ら最新作の参加ミュージシャンらからなるクァルテットの編成。途中ハイヒールを脱いで裸足になった“素”のステージに好感を抱いた。 
 夜の部はホールAから。日野皓正が今年リリースした新作『アフターショック』の参加メンバー+αで結成したスペシャル・プロジェクトだ。日野は巧みに若手を起用しながら、自分のバンドを運営してきた歴史がある。今回は日野とは縁がなさそうな矢野沙織(as)が加わり、サウンド・コンセプトに沿ってフリーキーなトーンも交えた矢野のプレイが収穫。80年代の「シティ・コネクション」を今風にアレンジして、時代に呼応する姿勢を示した。
 「TOKYO JAZZ SUPER GUITAR SESSION」はリー・リトナーがディレクターを務めるギターの饗宴。今年2月に「ブルーノート東京」で行われたリトナーとマイク・スターンの共演を発展させたものだ。布袋寅泰が加わったトリプル・ギターになると、ステージはさらに華やかに。最後はジェフ・ベックの「フリーウェイ・ジャム」で盛り上がった。
 ホールD7へ移動して、20:20からティグラン・ハマシャン。アルメニアで生まれ、モンク・コンペに優勝した才人は初来日。母国の伝統音楽を吸収した独特のメロディ・ラインや、終わりそうで終わらない曲展開がユニークなソロ・パフォーマンスだった。

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