Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

東京JAZZ 2011 初日

2011年09月02日

 10周年の節目を迎えた今回も、例年通り東京国際フォーラムホールAをメイン会場の開催となった。「THE NEXT STEP」と題した夜の部のトップバッターは、菊地成孔DCPRG。昨年再始動した11人編成は、スタンディングの観客が踊りながら楽しむのが定石のところ、今夜は貴重な着席コンサートである。このセッティングは音響面で楽器の分離の良さを生み出し、そのおかげでアフロ・ポリリズムを含むバンド・サウンドと各メンバーの音の動き、個人技の魅力が明確に伝わってきたのが収穫。昨年の再始動公演にも参加したリッチー・フローレス(per)が好演。最後はバンド誕生のきっかけとなった菊地雅章の名曲「サークル/ライン」で、クライマックスを演出。菊地のコンダクションも見事だった。
 2番手はSSWのラウル・ミドン。独特のパーカッシヴな奏法でアコースティック・ギターを鳴らしながら歌う。時折、声でトロンボーンを真似るインスト・パートや、ボンゴを叩きながら歌う曲も織り交ぜたソロ・パフォーマンスに、目が不自由なハンディキャップを超えた天才的な閃きを感じた。
 今夜最後は特別編成のJAZZ FOR JAPAN “LIVE”。震災後にベネフィット作をリリースしたオールスターズだ。1人ずつ呼び込む“VSOP方式”でメンバーが登場し、トム・スコット、ヒューバート・ロウズらをフィーチャーした「オール・ブルース」「シュガー」「ウォーターメロン・マン」を演奏。スペシャル・ゲストのアル・ジャロウが加わると、「マイ・フェイヴァリット・シングス」でジャロウ劇場がスタート。「おいしい水」を経て、代表曲「スペイン」に至り、ファンは大喜びとなった。

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