Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

名門ビッグ・バンドのホール・コンサート

2011年07月15日

 デューク・エリントン・オーケストラ「ジャパン・ツアー2011」を、東京・サントリーホールで観た。近年のエリントン楽団は丸の内コットンクラブに定期出演していて、ヴォーカリストの参加も好評だ。今回はホール・コンサートということで、また趣の異なるステージを期待した。37年前に偉大なリーダーが逝去して以降、名門ビッグ・バンドの灯を絶やすことなく、伝統が継承されて今日に至っている。現在はピアニストのトミー・ジェイムスがリーダーを兼務。いきなり楽団のテーマ曲「A列車で行こう」で始まったステージは、オバマ大統領を想わせるMCと身のこなしのジェイムスが、テンポ良く進行させ、ヴォリュームたっぷりの内容だった。「ラッシュ・ライフ」ではアレンジャーのボビー・ラヴェールがテーマをテナーで吹き、リズム・セクション抜きでホーンズ主体の円やかでふくよかなサウンドを響かせた。「イスファハン」ではマーク・グロスが艶やかでメロウなアルト・ソロを聴かせ、ジョニー・ホッジスの遺産が現代に繋がっていることを印象付けた。ジャズが多様化/細分化している今だからこそ、その源泉であるエリントン楽団の価値を再認識したい。

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