Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

4月前半のライヴ

2011年04月15日

 7日は平賀マリカ@六本木STB。新作のナット・キング・コール集のレコ発ライヴだったのだが、震災を受けて中止も検討されたという。ステージにはこの状況でヴォーカリストとして何ができるかを真剣に考えた平賀がいた。そのパフォーマンスは説得力に溢れ、ぼくがこれまでに観た平賀の最高の姿を体感したのだった。MCを含め、客席で安心して楽しめる邦人女性ジャズ歌手のトップである。
 10日はハクエイ・キム“トライソニーク”@六本木ビルボードライブ東京。1月にアルバム・デビューしたトリオが、ミッドタウンに初登場。当夜、最も印象的だったのは演奏とライティングが絶妙にシンクロしたステージングだった。もちろん演奏が素晴らしいとの前提があるのだが、照明が音楽の仕上がりを大きく左右することを再認識させられた。現在各方面から引っ張りだこの杉本智和(b)の好演も特筆したい。
 第3週は新宿ピットインに北欧から2組のバンドが出演予定だった。しかし震災の影響で両者共にキャンセル。13日にはオープニング・アクトの予定だった新澤健一郎3が2セットを務めた。最近特集ライヴでも取り上げているエグベルト・ジスモンチの「フレヴォ」や、エスビョルン・スヴェンソンのナンバー等を演奏した。
 15日はアルト・サミット@内幸町ホール。多田誠司+近藤和彦+太田剣のアルト3人の競演企画だ。パーカーの「オー・プリヴァーヴ」で幕を開けたステージは、多田をフィーチャーした「ワーク・ソング」、近藤をフィーチャーした「若かりし頃」と進み、それぞれの実力具合が明らかになった。

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