Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

完全復活を遂げた元女王のトリオ・ライヴ

2011年02月26日

 昨年ユニバーサルへの移籍作『バロック』をリリースし、レコーディング・メンバーとの記念コンサート@オーチャードホールで、一騎当千の黒人強者たちをとりまとめるリーダーシップを強く印象付けた大西順子。今夜は数年前の復活劇の舞台となったブルーノート東京でのトリオ・ライヴを見た。大西はベースのレジナルド・ヴィール、ドラムスのグレゴリー・ハッチンソンとはそれぞれ共演歴があるが、この3人では今回が初めてという関係。実に久々となるハッチンソンとの再会を祝い、2週間前にドラマーのために書いた新曲「ハチマニア」でスタート。イントロとエンディングにドラム・ソロをフィーチャーした構成が、メンバー間の友好関係を醸し出して好ましい。活動休止前のレパートリーでもあったバラード「ネヴァー・レット・ミー・ゴー」が、軽いタッチながら当時に比べて表現力が豊かになっていたことは特筆できる。アンコールの「ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス」はジャズの伝統的マナーに則った演奏。この10年間で人材が飛躍的に増した邦人女性ピアニスト界にあって、変わらず間違いなくトップ・クラスであることを実証してくれた一夜だった。

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