Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

今月中旬以降のまとめ

2011年01月31日

 12日は銀座ヤマハで上原ひろみにインタビュー。先月は大阪のコンサートを取材後、本人に会っており、個人的には「月刊ひろみちゃん」状態だ。その2日後の14日には、3月にリリースされる新作『ヴォイス』の試聴会@銀座ヤマハへ。本人のインタビュー&2曲の独奏付きだった。同作はこの春一番の話題作になること間違いない。15日はメゾフォルテ@ビルボードライブ東京。アイスランドが生んだ老舗フュージョン・バンド。昔の名前で出ています、どころか現役感満点のステージに、目から鱗が落ちた。各メンバーの高いスキルと息の合ったバンド・サウンドはエンタテインメント性にも溢れ、理屈抜きに楽しい。
 週が変わって17日は高澤綾(tp)5@六本木アルフィー。先日、彼女が所属するビッグ・バンド=レディ・エンジェル107のステージを観て、気になっていた。当夜はフレディ・ハバードの「バードライク」を皮切りに、定石破りのスロー・テンポの「スピーク・ロウ」、ワン・ホーンの「アイ・リメンバー・クリフォード」、ロイ・ハーグローヴ曲、自作曲等を演奏。急成長中の若手要注目である。18日は「十二夜」@シアターコクーン。主演の松たか子が女性と男性を一人二役で演じ分ける。劇中のセリフにある「いくつかの報われない片思いの物語」を堪能した。毎度毎度のことだが、たかちゃんの非凡さと女優魂に感嘆。
 28日はマヌ・カッチェ4@六本木STB。最新作『サード・ラウンド』の国内盤ライナーノーツを執筆したこともあり、期待を抱いて開演を迎えた。ドラマーのタイプとしてはオマー・ハキムと同系だと思うが、ジャンルレスな活動においてカッチェのフレキシビリティは突出している。心地よいビートに酔った。終演後、旧知のサックス奏者トーレ・ブリュンボルグと談笑。30日はビル・フリゼール3@丸の内Cotton Club。これまでに観たビルのパフォーマンスに比べると、音を電気的に変化させる要素が少なく、繊細な素のギター・プレイを主体とした構成だった。ジョーイ・バロン(ds)は通常よりも細いスティックを使用し、トリオのバランスを取りながら貢献。ロン・カーターはいつものマイ・ペースで、60年代のマイルス・デイヴィス5のメンバーだったことを含めて、カーターを敬愛するビルの視線がステージから伝わってきた。
 31日はジャズ新年会@高田馬場コットンクラブ。スイングジャーナルのパーティーが無くなってしまった喪失感を埋めるべく、重鎮関係者が昨年に企画。その成功を受けた第2回の今夜は、昨年以上の盛況を呈した。不況と言われる現状を打開できるのは、人と人のつながりなのだなと改めて感じた。収穫大。その後、表参道へ移動し、ケイコ・リー@ブルーノート東京へ。先日、デビュー15周年作をリリースしたタイミングで、インタビューした時に、歌手としても人間的にも変化・成長した近況を知ることができた。レギュラー・トリオと共に、もはや円熟と言っていいステージで、プロフェッショナリズムを印象付けた。

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