Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

大阪のジャズ・シンガーが名手と再会

2010年03月26日

 ジャズ・ヴォーカリストの清水ひろみは、今年に入って東京でのクラブ出演を増しており、勝負の年だと位置づける意気込みが伝わっていた。その最初のピークが今回企画されたドン・フリードマンとのデュオ・ツアーである。1週間前に観た赤坂Bフラットを皮切りに、清水の本拠地である大阪「JAZZ ON TOP」で2リズムを加えた編成で、ライヴ・レコーディングを実現。今日はおそらく気分的には一段落したであろうツアー終盤を、「お茶の水NARU」で観た。2007年にNYでデュオ作『ワルツ・テンダリー』を制作し、あまり歌伴奏作を制作していないフリードマンを本気にさせた清水との関係が深まっている様子が、ステージから感じられた。ピアノ好きからすると、各セットの冒頭でフリードマンが独奏曲を披露してくれたのが収穫。ヴォーカリストのステージの場合、インストを1、2曲入れることは常道だが、今回はフリードマンだけに意味が違う。「星影のステラ」「アイ・ヒアー・ア・ラプソディ」等の独奏曲にあって、「オール・ザ・シングス・ユー・アー」の匠の技は、この曲を聴くためだけに来場した価値があると思ったほどだった。今年、清水はヨーロッパのジャズ・フェスティヴァルに出演する。日本が誇るジャズ・ヴォーカリストに羽ばたいてほしいと、切に願う。

NEWENTRY

ARCHIVE

BLOGS

CONTACT

株式会社セブンオークス・パブリシング

セブンオークスへのお問い合わせを受け付けております。
メール:hachi@7oaks.co.jp
住所:〒134-0081 東京都江戸川区北葛西2-10-8map
Phone:03-3675-8390
Fax:03-3675-8380