Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

日本を代表する女性シンガーの初春コンサート

2010年03月21日

 これまでにバート・バカラック集やボサノヴァ集に取り組んできた平賀マリカは、昨年11月にカーペンターズ結成40周年を記念したアルバム『シング・ワンス・モア』をリリース。同作が「ジャズ・ディスク大賞ヴォーカル賞(国内部門)」を受賞したことと合わせて、原宿クエストホールで記念コンサートが開催された。同作で同賞の3年連続受賞となり、名実共に日本を代表する女性ジャズ・ヴォーカリストの地位を揺ぎ無いものにした感が深い。2部構成のステージはカーペンターズのナンバーを中心に、他のレパートリーも盛り込んだもの。サウンド・プロデューサーを務めた笹路正徳をはじめ、レコーディング・メンバーを揃えたバック・バンドは理想的なセッティングであり、さらに8人編成のストリングスまで加わって、実に贅沢極まりない。ヴォーカリストに歌唱力が求められるのは当然で、平賀はこの点を楽々とクリアしながら個性を表現するばかりでなく、温かい人柄が伝わってくるMCでも楽しませてくれた。第2部では話題の高校生アルト奏者=寺久保エレナが2曲に客演。ぼくは初めて観たのだが、噂に違わぬ実力に驚きを禁じえなかった。近々NYで著名人を起用したデビュー作を録音するという。アンコールではアコースティック・ギター2本だけをバックに、「雨の日と月曜日は」をしっとりと聴かせた。

NEWENTRY

ARCHIVE

BLOGS

CONTACT

株式会社セブンオークス・パブリシング

セブンオークスへのお問い合わせを受け付けております。
メール:hachi@7oaks.co.jp
住所:〒134-0081 東京都江戸川区北葛西2-10-8map
Phone:03-3675-8390
Fax:03-3675-8380