Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

ジャズとクラシックを股にかけるサックス奏者

2010年02月27日

 清水靖晃は1970年代にクロスオーヴァー/フュージョン畑でキャリアをスタートさせ、吉田美奈子とのコラボレーションなどポップス畑でも優れた仕事を残したサックス奏者だ。今夜は清水が83年から続けるプロジェクト“サキソフォネッツ”のステージを、すみだトリフォニーホールで観た。サックス5+コントラバス4の編成によるサキソフォネッツが、J.S.バッハの名曲「ゴルトベルク変奏曲」を取り上げるプログラム。グレン・グールドをはじめ、ピアニストが定番の名曲を、おそらく前例のない編成で演奏するサウンド・コンセプトが興味深い。まず清水1人が登場し、即興でテナー・サックス・ソロを披露。そしてメンバー全員が登場して、本編へと進んだ。アリア?第1?第30変奏?アリアというプログラムでは、各曲が終わるごとに拍手が起こった。これは通常のクラシック・コンサートとは異なる風景で、会場にジャズ的な空気感が生まれたのが面白い。これまで同ホールで行われた6回の「ゴルトベルク」がすべて鍵盤楽器だったことを踏まえると、第7回にして新しくユニークな歴史を築いた一夜だった。

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