Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

現役最高齢ピアニストの健在ステージ

2010年02月22日

 親日家としても知られるハンク・ジョーンズが、「ブルーノート東京」6日間出演のために来日した。結成30年を超えたザ・グレイト・ジャズ・トリオ名義である。冠トリオの最長寿であるGJTは、オリジナル・メンバーであるハンクが不動のピアニストとなってトリオが運営されてきた。歴代のベース&ドラムスを参照すれば、すでに名を上げた面々が参加してきたことが明らかだ。そんな歴史を踏まえると、今回のメンバーは異例に映る。デヴィッド・ウォン(b)+リー・ピアソン(ds)はいずれも日本では無名の若手。このトリオは昨年リリースされた高音質&高価格盤でお披露目した面々。ゆえに何故過去の歴史の定例を外れた施策を実行したのか。その疑問は演奏が進むうちに氷解した。モダン・ジャズの伝統を継承しながら、時代に即したGJTらしさを表現すること。新加入メンバーがそのポリシーを感じさせたのが、今夜の収穫だった。特に随所でロール技による高いスキルを発揮したピアソンが特筆される。現在91歳のジャズ界最長老を自分の目に焼け付きておきたいファンが多数来場したことによって、会場は盛況となった。
 終演後、代々木へ移動。清水ひろみ@NARU。大阪を拠点とする清水は、近年東京でのクラブ・ライヴにも力を入れている。今夜はすでにお馴染みとも言える里見紀子+井上ゆかりとのトリオだ。前回観た時と同じく、セットの途中にヴォーカル抜きの楽曲を入れる構成に共感。東京での支持者が定着したことを印象付けた。今年はドン・フリードマンとのツアー&レコーディングやヨーロッパ遠征も計画しているとことを本人から聞いた。結果に期待しながら応援したい気持ちである。

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