Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

米国の若手注目株、初の単独来日公演

2010年01月21日

 昨年6月の「100ゴールド・フィンガーズ」出演で若手実力者の印象を与え、その後初リーダー作『トゥー・シェイド』で、現代を生きるピアノ・トリオとしての気概を示したジェラルド・クレイトン。クレイトン=ハミルトン・ジャズ・オーケストラのコ・リーダーにしてダイアナ・クラールのレギュラー・メンバーでもあるジョン・クレイトン(b)を父に持つサラブレッドだ。今夜はレコーディング・メンバーでもあるトリオを率いて、丸の内「Cotton Club」に登場した。ステージのセッティングは通常とは異なり、ピアノが右側。オスカー・ピーターソンやテテ・モントリューと同じということは、ベースとドラムスの音を聴くバランスの位置関係なのかもしれない。今夜のクレイトンは最新作に基づきながらも、収録曲のお披露目にとどまらない自己主張を展開した。何より「アロング・ケイム・ベティ」「マック・ザ・ナイフ」「いつか王子様が」のスタンダード3曲はアルバム未収録曲。それらはクレイトン初体験の来場者に訴求したことはもちろん、ウォッチャーにはミュージシャンとしての高い意識を伝える格好となった。ステージ中盤にはマーク・ターナー曲を含むオリジナル・メドレーで構成し、斬新なトリオ・コンセプトを浮き彫りに。バッキングとソロの両面で卓越したスキルを披露したドラムスのジャスティン・ブラウンが大収穫。今後経験を積む中で、間違いなくその名を高めるに違いない。

NEWENTRY

ARCHIVE

BLOGS

CONTACT

株式会社セブンオークス・パブリシング

セブンオークスへのお問い合わせを受け付けております。
メール:hachi@7oaks.co.jp
住所:〒134-0081 東京都江戸川区北葛西2-10-8map
Phone:03-3675-8390
Fax:03-3675-8380