Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

今年の締めくくりとなるライヴ・レポート

2009年12月29日

 今年はCDの売り上げの下降が止まらないなど、音楽業界には厳しい1年となった。しかし最後は明るく締めくくりたいということで、東京ミッドタウンの「ビルボードライブ東京」へ。元アース・ウィンド&ファイアーのアル・マッケイ(g)率いるオールスターズ公演だ。70年代から80年代にかけてのEW&Fの全盛期に活躍したオリジナル・メンバーのマッケイを中心とする面々が、アースの名曲の数々を披露するプログラム。リアルタイムで彼らの音楽を聴いてきた者にとっては、堪らないステージだ。2002年のマウント・フジ・ジャズ祭でも彼らの“実力”を体感しているので、観る前から品質は保証済。他にもEW&Fをレパートリーとするバンドが競合する中で、アル・マッケイASはオリジナルに最も近いサウンド、との評価が高い。3ヴォーカル+4ホーンズ+2キーボード+ギター+ベース+ドラムス+パーカッション=総勢13名のバンドは、「サーペンティン・ファイアー」で幕を開けた。当時ビートルズをカヴァーしたことで話題になった「ガット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」、「サタデイ・ナイト」と続き、あの頃の空気が甦る。「アフター・ザ・ラヴ・イズ・ゴーン」でバラード・タイムが始まると、「リーズンズ」ではファルセット・ヴォーカルとアルトサックスがあのライヴ盤同様の掛け合いを演じてくれた。後半に進むと、パーティー・タイムのスタート。「イン・ザ・ストーン」を皮切りに「宇宙のファンタジー」「ゲッタウェイ」「ザッツ・ザ・ウエイ・オブ・ザ・ワールド」とメドレーが続き、アリーナの観客は総立ちに。やはりこの曲で決まり、とばかりにラストは「セプテンバー」。アンコールに応えて登場すると、忘れちゃいけない「レッツ・グルーヴ」で再び会場に火をつけた。楽曲の生命力の強さにも唸らされた一夜であった。

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