Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

横浜での貴重なプライヴェート・ライヴ

2009年12月20日

 10月上旬、「横濱ジャズ・プロムナード」に出演したピアニストのビル・メイズが、わずか2ヶ月をはさんで再来日を果たした。前回同様、今夜も桜木町「Five Stars Records」でのライヴ。自宅4Fをライヴ・スペースにしただけあって、アット・ホームな雰囲気がある。ぼくはピアノのすぐ近くの関係者席に案内された。メンバーは今年リリースされたマティアス・スヴェンソン『ヘッド・アップ・ハイ』と同じく、メイズ+スヴェンソン(b)+ジョー・ラバーベラ(ds)のトリオだ。「イースト・オブ・ザ・サン」で始まったファースト・セットは、米国では過小評価のピアニスト、ソニー・クラークの「クール・ストラッティン」で、50年代のハード・バップへのオマージュを表明。ボサ・アレンジの「アローン・トゥゲザー」ではこの季節を意識したクリスマス・ソングをアドリブに盛り込んだり、対照的にラヴェルの「マザー・グース」では叙情的な表現美で魅了した。セカンド・セットではオーナーに捧げたメイズの自作曲「ブルース・フォー・ファイヴ・スターズ」を披露。レッド・ガーランドの「ブルース・バイ・ファイヴ」を想起させたが、関連があるのかもしれない。60年代のスウェディッシュ・フォーク・ソングを元に、スヴェンソンが主旋律を奏でるボサ・ナンバーを経て、メイズが得意の美声を響かせる「ゲット・アウト・オブ・タウン」でクライマックスに。アンコールに応えて、ビル・エヴァンスゆかりのレパートリーでもある「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング」を選曲。横浜の夜は更けていった。

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