Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

2012年06月21日  ビッグバンド界の重要人物

2012年06月21日

 テナーサックス奏者のボブ・ミンツァーは30年間自己のビッグバンドを率い、それと並行して91年からはイエロージャケッツの一員としても活躍。他にあまり例のない活動スタイルによって、独自のポジションを確立している。またアレンジャーとして、ヨーロッパの楽団にスコアーを提供しており、広くビッグバンド界の貢献者としてその業績は評価されるべきだ。今夜は新作『フォア・ザ・モーメント』のレコーディング・メンバーによるステージを、ブルーノート東京で観た。前半はブラジルのギター&ヴォーカリスト、シコ・ビニェイロが加わったBBで、新作から選曲。リンカーン・ゴーインズはエエクトリック・ベースを使用。後半に進むと、ミンツァーBBとの共演作もあるカート・エリング(vo)が登場。いきなりパット・メセニーの「ミヌアノ」を歌い始めたのには驚いた。原曲のギター・ソロをヴォーカリーズで熱唱。これにはボブ・カーナウBBがオーヴァーラップして、思いがけなく嬉しいシーンとなった。バラード名曲「マイ・フーリッシュ・ハート」を挟んで、ジョン・コルトレーン『至上の愛』から「Resolution」を歌唱。チャレンジ精神旺盛なエリングは、現役男性ジャズ・ヴォーカリストで最高の実力者と評されるだけのことはあると実感した。アンコールではミンツァーがジョージ・ガーシュインにインスパイアされて書いた「ラン・フォー・ユア・ライフ」で、スインギーに締めた。

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