Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

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2013年01月04日  孤高のサックス奏者によるクァルテット公演

2013年01月04日

 ブルーノート東京、今年最初のアーティストはチャールス・ロイド(ts,fl)である。前回の来日時はベースのリューベン・ロジャースが欠けていたが、今回はフル・メンバー。この間、ぼくは2011年のノルウェー<コングスベルク・ジャズ・フェスティヴァル>でロイド・クァルテットのステージを観ており、深い感銘を受けている。今夜はビーチ・ボーイズの「ゴッド・オンリー・ノウズ」から静かにスタート。70年代にロイドはビーチ・ボーイズと共演し、他の曲を自己のレパートリーにもしているので納得できたのだが、実は発売を控えるジェイソン・モラン(p)とのデュオ新作『ヘイガーズ・ソング』の収録曲だと判明。その後もロイドのマイ・ペースでステージが進行し、その独特な音楽世界が会場内にじんわりと広がっていった。アルトサックスを持参したが、最後まで使用しなかったのが謎。

2013年01月07日  ニューヨーカーが結成した新クァルテット

2013年01月07日

 日本のレコード会社からリーダー作をリリースし、ジャズ@リンカーン・センター・オーケストラのメンバーとしても活躍するライアン・カイザー(tp)が、元神童ピアニストのエルダー・ジャンギロフ、震災後の日本を応援するCDを制作したデズロン・ダグラス(b)、リンカーン楽団の同僚でもあるアリ・ジャクソンJr.(ds)とクァルテットを結成。日本でのお披露目となるステージを、Cotton Clubで務めた。「It’s You Or No One」を皮切りに、マイルス・ヴァージョンを参照したミュート・トランペットの「Someday My Prince Will Come」、カイザー抜きのトリオによる「In Your Own Sweet Way」と進行。ラストの「ドナ・リー」ではトランペットとのユニゾン・テーマやピアノ・ソロで、エルダーが気を吐いた。個々は実力者だが、まだバンドとしての魅力を確立していないので、今後に期待したい。

2013年01月11日  ジャズ作曲家宣言!

2013年01月11日

 挟間美帆のジャズ作曲家宣言@オペラシティ。昨秋デビュー作をリリースし、大反響を巻き起こしている26歳が、山下洋輔プロデュースのホール・コンサートに出演した。第1部は山下の『CANVAS in QUIET』を、ピアノ+ストリング・オーケストラにアレンジ。楽器編成のせいもあって、柔らかいサウンドに仕上がった。第2部は自作曲を山下+交響楽団と共に初演。前半はジム・マクニーリー、ヴィンス・メンドーサ、メトロポール・オーケストラを想起させるサウンド。後半は曲ごとにフィニッシュのキメを連発。指揮台とピアノを何度も往復しながら、全力投球のパフォーマンスは実に堂々としたもの。すべての観客が若き才媛に魅了された一夜であった。

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2013年01月12日  底力に痺れたソウル・シンガー

2013年01月12日

 ブライアン・マックナイトはほとんどのCDを持っているほどのファンなのだが、ライヴを観るのは初めて。期待と共にビルボードライブ東京を訪れた。今回はバンド編成ではなく、本人のみのピアノとギターの弾き語り。これは逆の意味でプレミアム感が生まれた。子供の頃から大人になる間に好きになった曲のメドレーでは、ナット・キング・コール「ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ」?ジェフリー・オズボーン「オン・ザ・ウィングス・オブ・ラヴ」?ジャーニー「オープン・アームズ」?スティーヴィー・ワンダー「オーヴァージョイド」?マイケル・ジャクソン「マン・イン・ザ・ミラー」と物真似で芸達者ぶりを披露。女性客をステージに上げて、彼女のためにギター弾き語りでファン・サービス。発売を控える15枚目の新作から、いち早く1曲歌ってくれたのも嬉しい。80分間のステージで1度も水を飲まなかったのは、喉と声の強さの証。圧倒的な歌唱力に引き込まれた。

2013年01月13日  大先輩のトーク・イヴェント

2013年01月13日

 DUGの中平穂積さんと評論家・佐藤秀樹さんの「ジャズ・レコードコンサート」@神楽坂artdishに足を運ぶ。会場は満員の盛況。音楽をかけながら、それにまつわるトークで進行するのかな、と思っていたのだが、始まってみると50~60年代の思い出話や、今となっては貴重なジャズ・ミュージシャンとのエピソードが飛び出して、非常に興味深い内容になった。やはりモダン・ジャズ黄金時代をリアルタイムで経験された方の話は説得力があるし、こちらを引き込む力があるものだと感じ入った。終演後はご一緒した地元の名士である宇田川氏と、氏が経営されているバーで楽しく語り合った。

2013年01月14日  気鋭のアルト奏者が一時帰国

2013年01月14日

 今日の東京は記録的な大雪。何もなければ外出しないのだが、寺久保エレナ4@ブルーノート東京のため、表参道へ移動。ファーストセットではキャンセルの予約客が出たとのことだったが、セカンドセットは満席に近い集客だった。現在バークリー音大で研鑽を積んでいるエレナは、19歳のデヴィッド・ホイットフィールド(p)+山中千尋『ビコーズ』参加メンバーでもある中村恭士(b)+リー・ピアソン(ds)とのフレッシュなバンドで、バップからオリジナルまでを演奏。ブルキナファソでの演奏経験から生まれた「ブルキナ」は、当夜の同店提供カクテルにも繋がり、コルトレーンのアフリカ?モードへと音楽性を発展。逞しく成長したエレナの頼もしい姿を印象づけた。

2013年01月16日  新プロジェクトで来日したベーシスト

2013年01月16日

 ヴィクター・ベイリー4@Cotton Club。80年代に後期ウェザー・リポートで出世したベーシストが、“V-FUNK”を率いて来日。レコード契約が決まって、これからレコーディングに入るというタイミングでのステージだ。若い頃に好きだったパーラメント、ファンカデリック、ジョージ・クリントンのサウンドを取り入れて自分流にアレンジ。1979年の渡辺貞夫バンド以来、31回も来日しているだけあって、日本語(カタカナ)の発音が上手なキャラクターで、観客を和ませてくれた。

2013年01月17日  小ぶりの舞台で新境地

2013年01月17日

 数々の大舞台を経験している松たか子が、新国立劇場小劇場に出演。『音のいない世界で』を観た。子供向けを謳ったので親子連れや、作・演出の長塚圭史のファンと思しき女性客も散見される。たかちゃんは過去に長塚作の舞台に出演経験があるが、これほどの小スペースは初めてかもしれない。出演者も少数という空間の中で、一人三役、1時間半ほぼ出ずっぱりの芝居。ポータブル・レコード・プレイヤーを失い、取り戻す話。音盤が物語りのつなぎ役となった。舞台はレコード・プレイヤーを模して、回転する仕掛け。冒頭、レコードから流れてきた音楽は、古いピアノ・ヴァージョンの「Blue Skies」だった。このインティメイトな雰囲気と手作り感溢れるステージもいい。

2013年01月23日  フリー・ジャズ奏者が新宿に集結

2013年01月23日

 ジョー・マクフィー&フレンズ@ピットイン。ファースト・セットは坂田明(as,cl,vo)ソロ?ジョー・マクフィー(tp,ts)ソロ?ホーヴァル・ヴィーク(p)&ポール・ニルセン=ラヴ(ds)デュオと進行。マクフィーは今年の<コングスベルク>でエヴァン・パーカーとのデュオを観ている。セカンド・セットでは4人の合奏となり、ヴォーカルを含む坂田の存在感が際立った。終演後に旧知のヴィークと話し、アクセル・ドナーの新作やSide Aの新作に関する情報を語ってくれた。

2013年01月24日  米国在住の意欲的な邦人ピアニスト

2013年01月24日

 森田真奈美は同じ大学の出身ピアニストということで注目し、自分の媒体で紹介してきた。テレビ番組のテーマ音楽に採用されたことで知名度がアップ。しかし拠点をアメリカに置いたのは、日本の日常的な流れに染まりたくない気持ちがあったのだろうと理解していた。今日は最新作『When Skies Are Grey』のリリース記念ライヴを、渋谷JZ Bratで観た。数年前に新宿で観たトリオ・ライヴに比べて、飛躍的に音楽性が成長したことは明らか。やはり海外での生活が大きな糧となっている。ゲストの牧山純子(vln)が独自アレンジの「The Peacocks」で好演。

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