Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

2012年05月11日  世界最高のピアニスト、第2夜

2012年05月11日

 キース・ジャレット・ソロ@オーチャードホール。今回は東京での2回のみの公演ということで、外国人を含めて密航者が多数詰め掛けた印象を受けた。レコーディングをするため、拍手のマナーとノイズに関する指導アナウンスが流れた。しかしそれでも演奏中の咳はなくならない。ファーストセットの5曲目で異変が起きた。スタジオ録音での「false start」に相当する現象。すぐに仕切り直して、リズミカルな新しい曲を作ったのは長年のキャリアの成せる業だと思った。セカンドセットの1曲目が終わったところで、水を飲み「カンパイ」。6日もそうだったが、キースがステージで日本語を発した2度目は、以前から親日家としてファンにも認知されているキースが、プライヴェートでも日本との良き関係が生まれたことを想像させる。6曲目のオリジナル・ブルースが収穫。即興ショート・ピースの本編に続いて、アンコールにはスタンダード・ナンバーが用意されているのが定石。1曲目の「ドント・エヴァー・リーヴ・ミー」は昨年の来日公演でも演奏した、ペギー・リーのレパートリー。2曲目の「サマータイム」は過去の同様の場面では選曲されなかっただけに、アーシーなアレンジを含めて新鮮な感動を覚えた。予想外の5曲目のアンコールは「虹の彼方に」。心を揺さぶる名演であった。

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