Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイリー

2012年04月19日 ECMから最新作を出した欧州ユニット

2012年04月19日

 昨年4月に“ピットイン”への出演が決定していながら、東日本大震災のために中止となったフードの来日が、ようやく実現。今夜は7ヵ所で組まれたジャパン・ツアーの初日を同店で観た。フードは1998年に英国人サックス奏者イアン・バラミーをリーダー格として、ノルウェー人3名と結成された。2004年までに4タイトルをリリースした後、バラミー&トーマス・ストローネンのデュオ・チームに再編し、2007年にはマリア・カネゴールらをゲストに迎えたアルバムをリリース。2010年に登場した通算第6弾にしてECM移籍作『Quiet Inlet』は、80年代の英国発ニュー・ムーヴメントのトップ・ランナーだったバラミーが、ノルウェー新世代のストローネン(1972?)と出会い、北欧の新感覚派とのコラボレーションを通じて育んだサウンドが、さらに成熟度を増したと理解できる仕上がりだった。
ファースト・セットは同作で4曲に参加したニルス・ペッター・モルヴェルを含むトリオ。ノンストップの即興演奏は、もはやノルウェー新世代の定番と言っていいエレクトロニクスの巧みな使用を通じ、ジャズとアンビエントが融合したサウンド。バラミーがサックスを吹くパートとエレクトロニクスのオペレーションが半々に近いのが、新鮮な発見だった。セカンド・セットには招聘者でもある巻上公一が加わって、アルバムとは違う趣の展開となった。
■Iain Ballamy(ts,ss,electronics) Thomas Stronen(ds,electronics) Nils Petter Molvaer(tp,laptop) 巻上公一(vo,theremin)。

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