Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
ビッグ・ネームのリユニオン・ライヴ
2008年10月09日
ジョン・スコフィールド&ジョー・ロヴァーノ・カルテット@ブルーノート東京。80年代末にジョン・スコが結成したバンドのサックス奏者がロヴァーノであり、ブルーノートを舞台に数枚のアルバムを制作。その後オールスターズのスコロフォホでも共演しており、相性のいい関係を築いてきた。ロヴァーノは欧米での評価と人気が高い割りに、日本では過小評価状態ゆえ、人気者のジョン・スコと組むことは訴求力がアップする側面があるはず。ぼくはライヴでこのチームを観るのは初めてだったのだが、お互いに気心が知れている雰囲気を醸し出し、大物同士の特別感よりも親和性が前面に表出した。もう1つの“初めて”が、ロヴァーノ使用のAulochrome。ソプラノサックスを2本くっつけたような楽器は、エジプトの工房が製作した特注品で、メロディ/ハーモニー表現の幅が広がる優れもの。バド・パウエルとマイルス・デイヴィスの共作「バドゥ」等、約1時間半のステージを堪能した。
終演後、御茶ノ水へ移動。西山瞳@NARU。今日はギタリストが加わったカルテットだ。これまでトリオのステージは何度も観ているが、このバンドは初めて。西山が好んで共演する馬場孝喜はパット・メセニーやパット・マルティーノからの影響を感じさせる繊細なプレイヤーだった。西山は馬場とのデュオ・チーム“Astrolabe”も始動させるというから、そちらも楽しみである。