Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
東京コンフラックス2008
2008年09月22日
都内3会場、5日間連続で開催されたイヴェント。欧米から超世代の即興演奏家が集結し、様々な組み合わせでステージを務める。今夜は新宿ピットインでザ・シング+ケン・ヴァンダーマークを観た。マッツ・グスタフソン(reeds)+インゲブリグト・ホーケル・フラーテン(b)+ポール・ニルセン・ラヴ(ds)のザ・シングは、昨年の来日公演で北欧フリー・ジャズの勢いを強烈に印象付けた実績がある。最新作『Immediate Sound』(Smalltown Superjazz)でお披露目済のシカゴの武闘派テナー=ヴァンダーマークが加わったカルテットがブッキングされた。
セカンド・セットから入店すると、ステージには5人のミュージシャンが登場。本イヴェントの最終日に出演予定のペーター・ブロッツマン(reeds)がそこにいたのだ。1曲目からいつものように全力疾走のプレイを繰り広げる様は、スペシャル・ゲストというよりもレギュラー・メンバーと呼ぶのがしっくりくるほど。ブロッツマンにとっては子供と同じ年齢のミュージシャンと、何の違和感もなく演奏できるのは国境を超えた共通言語があるからだと改めて認識させられた。バークリー音楽大学関連とは別の人脈で、欧米のミュージシャンが密接な関係を築いていることも頼もしく感じたのだった。