Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
希少な邦人女性ユニットのレコ発ライヴ
2008年08月18日
スーパー・ジャズ・ストリングスというグループ名は日本制作の冠トリオにも通じるネーミングだが、これが新世代邦人女性弦楽器奏者4人からなるユニットだと知った時、そのギャップと共に彼女たちへの興味が湧くはずだ。SJSのリーダーでチェロ奏者の平山織絵から5月リリ?スのデビュー作『フットプリンツ』を送られたことがきっかけで連絡を取り合い、今日の「新宿ピットイン」でのライヴを迎えることとなった。ウエイン・ショーター作曲のタイトル・ナンバーを始め、「A列車で行こう」「おいしい水」「マイナー・スイング」と、ジャズ・スタンダード、ボサノヴァ等を選曲。カルテットにレコーディング・メンバーの3リズムが加わったことで、SJSのジャズ・バンド的魅力がさらに際立つ形となった。
メンバーの中ではアドリブのセンスとテクニックにおいて、maiko(vln)の存在感が光っていたことを特筆したい。セカンド・セットにはレコーディング・メンバーで、自己のリーダー作も話題のフルーティストMiyaがゲスト参加。ピットインに女性4人が並ぶステージは、このクラブのヘビー・リスナーであるぼくにも前例のない光景となった。レコ発ライヴをすべて観てきた追っかけファンもすでについているのもSJSの強み。明るい前途を予感させるパフォーマンスに、ぼくも応援したい気持ちになったのである。