Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
御茶ノ水の老舗ジャズ・クラブ
2008年06月26日
JR御茶ノ水駅から徒歩1分という便利なロケーションにあるのが「NARU」だ。自宅から大学への通り道ということもあって、頻繁に利用したものだった。四半世紀前当時の夜の部はライヴ・ハウスではなくカフェバーの業務形態で、その後デイリーのライヴに変わったと記憶する。今夜は約4年ぶりに同店を訪問。出演は西山瞳トリオである。西山とは昨年のストックホルム録音&ライヴに同行取材するなど、今ぼくが最も懇意にしている日本人アーティストだ。共演者はレギュラー・ベーシストの坂崎拓也と、今日が西山とは初共演というドラムスの小前賢吾。19:30からスタートしたステージは3セット制で、それぞれが1時間、合わせて3時間というボリュームたっぷりとなった。プログラムはアルバム収録曲と今秋リリース予定の新作からのレパートリーで構成されたのだが、これまでライヴでも何度か聴いているオリジナル曲に新しいアレンジが加えられて、新鮮な輝きを放っていたのが印象的だった。急速調のピアノ・ソロで演奏に没入する姿には、東京進出時からウォッチしている者として、頼もしさをも感じた。ポイントを押さえつつ、個性を発揮した初体験の小前にも拍手を送りたい。