Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。

女性ピアニストが待望の単独来日

2008年07月12日

 世界的に女性ピアニストが花盛りといった昨今のジャズ・シーンにあって、90年代初めにアルバム・デビューしたレイチェルZは、コンテンポラリー派の草分けと言っていい才媛だ。ぼくは2003年の国内制作盤『愛は面影の中に』の解説を書いた関係もあり、レイチェルは気になるピアニストの1人である。今夜は丸の内“Cotton Club”にトリオで初出演。土曜日ということもあってか、客席はほぼ満員だ。休日、あるいは休日前日の仕事帰りの人々が、ジャズを楽しみながら1週間の疲れを癒す…この空間がそんな人々に役立っているのであれば嬉しい。
 マエヴァ・ロイス(b)+ボビー・レイ(ds)とのトリオによるステージは、ゆったりとしたレイチェルのペースで進行した。1曲ごとにマイクを持ってMCをするレイチェルが、今回の来日でサポートした多くのスタッフの名前を挙げて、感謝を示した場面に、親日家の一面を見た。「私はジャズ以外の楽曲を取り上げるのが好き。昔の<マイ・フェイヴァリット・シングス>だってそうだったのだから」と、ニュー・スタンダードに意欲を燃やす音楽性を表明。本公演の選曲に1本筋が通った姿勢を明らかにした。
 ハイライトとなったのは「ESP」。ウエイン・ショーター・トリビュート集をリリースしているレイチェルにとって、ショーターがいかに多大なインスピレーションの源であるかが伝わってくるプレイだった。ジョニ・ミッチェル曲「パリの自由人」も収穫。日本ではほとんど話題にならなかった昨年リリース作『Dept Of Good And Evil』(Savoy Jazz)も含めて、レイチェルの再評価を願いたい。

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