Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。

オーストラリアからの新進ピアノ・トリオ

2008年07月05日

 ベン・ウィンケルマン・トリオ@TOKYO TUC。ピアニスト=ウィンケルマン率いるトリオはこれまでに2枚のアルバムをリリースしているが、ぼくは聴くチャンスがないまま、今回のクラブ・ライヴを迎えた。北海道くっちゃんジャズ・フェスティヴァルに招聘され、せっかくだからということで急遽、東京での公演も企画されたという。さてどのような演奏を披露してくれるのか。期待と若干の不安で見守ったステージは、予想以上の実力を発揮したものとなった。オリジナル曲を中心とした構成は、それだけで個性的なのだが、メンバーそれぞれが確かな実力が伴っているからこそオリジナリティが輝く。ウィンケルマンのスキルとセンスは、人材がひしめくジャズ・ピアノ界にあって、世界レヴェルで拮抗できる才人だと感じた。またこのトリオのポテンシャルも、きっかけさえあればブレイクすると。関係者からのリクエストを受けて採用したというスタンダード・ナンバーは、有名なトミー・フラナガン・ヴァージョンよりもスロー・テンポでアレンジ・センスを示した「チェルシー・ブリッジ」、トリオであればハービー・ハンコック・ヴァージョンを参照するのが定石のところを、ハーバーに依拠しなかった「ステイブルメイツ」。この2曲だけに限っても、ウインケルマン・トリオの独創性が明らかになった。終演後、ウインケルマンに話を聞くと、米西海岸に生まれ、幼少時にオーストラリアへ移住。現地ではミッキー・タッカーに、NYではハロルド・メイバーン、サム・ヤヘルに師事。5年前にトリオを結成し、今回がトリオでは初めての海外公演になるそうだ。遠からず日本でも名前が出てくる逸材に違いない。終演後はガッツプロダクション笠井氏と、早朝まで痛飲した。

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