Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
フィンランドと日本の合体ユニット
2008年05月26日
新澤健一郎トリオ・ウィズ・スペシャル・ゲスト・ニクラス・ウインター@丸の内Cotton Club。昨年末にリリースされたニクラスの新作『Beautopia』の記念ライヴである。3年前にヘルシンキで知り合って以来、ニクラスとは連絡を絶やさない間柄だ。今回はいよいよ高級店への出演となる。邦人トリオに客演する形になったが、ピアニストの新澤は同作に参加しており、両者の再会ステージということでもある。新澤がMCを務めてプログラムは進行。ニクラスはジョン・スコフィールド以降の流れを汲むスタイルで、シリアスな音楽性を披露。共演トリオはレギュラーで活動しているだけあって、タイトなサウンドを供給。大槻“カルタ”英宣(ds)のパワフルでフレキシブルなプレイが、バンドを強力に鼓舞したことが特筆される。トリオ・パートではアドリブでハービー・ハンコック「アクチュアル・プルーフ」も飛び出し、思わずニヤリ。終演後のサイン会では人が途切れず、ニクラスが日本で着実にファンを増やしていることを実感した。