Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。

トップ・イタリアン・ジャズ第2弾

2008年05月14日

 昨日ノルウェーから帰国した。日本での生活モードにリセットして迎えた本日。イタリアを代表するジャズ・フェスティヴァル“ウンブリア・ジャズ”とブルーノート東京のコラボレート企画は、エンリコ・ラヴァを主軸とした昨年の第1回に大きな収穫を上げた。第2弾となる今回は内外の著名ミュージシャンとの共演経験が豊富なドラマーのロベルト・ガットが率いるクインテットの4日間公演。“トリビュート・トゥ・マイルス 1964?1968”のタイトルから明らかなように、60年代のマイルス・クインテットの追悼企画である。このコンセプトの出どころは不明だが、ハード・バップをベースとしたクラブ・ジャズやモダン・ジャズ黄金時代のベテラン・ミュージシャンに再びスポットライトが当たっているイタリアン・ジャズの現況を参照すると、ガットが60年代マイルスに示唆されたことも納得できる。クインテットのメンバーはいずれもキャリアのある腕利き揃い。彼らをもってすればマイルス・クインテットのコピーも可能であろう。それとは異なる“らしさ”をどのように打ち出してくれるのか、に注目していた。「ジョシュア」で幕を開けたステージはダド・モロニ(発音的にはダード・モローニ)が文字通りピアノを揺らせた「ノー・グレイター・ラヴ」や、倍テンポでフラヴィオ・ボルトロ(tp)が実力を印象づけた「フットプリンツ」で、バンドの独自性を発揮。「星影のステラ」では50年代のマイルス&コルトレーンを想起させる場面もあって、ガットのアレンジ手腕も光った。以前から名手と認識していたガットが、ハンド・ドラムでハイライトを演出したのも見もの。アンコール曲「ソー・ホワット」では最後に「ザ・テーマ」を演奏し、当時のワーキング・バンドとしてのマイルス5への正統なトリビュートを示した。終演後、モロニと談笑。

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