Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
秋のジャズ・フェス2日目
2008年11月02日
ファッション感度の高い人々が集うこの街は、有名CDショップがあるなど、昔からジャズとの関係が深い。それが一気に顕在化したのが2005年にスタートした「ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティヴァル」だ。銀座エリアに出店しているファッション・ブランドの母国からアーティストをブッキングするコンセプトは、無料の地域型インドア・コンサートがプロパーではないジャズ・ファンを掘り起こす役目を果たしていることが見逃せない。今日は2組を鑑賞。アコーディオンのパリジ・ミュゼット・トリオは、パリの日常的な空気感を東京に運んでくれた趣。通訳付で楽曲の由来を解説しながら、パリ・ミュゼットの代表曲を演奏した構成は親切だった。
本ジャズ祭のハイライトとなったのがファブリッツイオ・ボッソ&ジャヴィエル・ジロット・セクステット。デビュー作リリース直前のタイミングでのステージは、ラテン・プロジェクトの音楽性を打ち出しながら、パンチの効いたボッソのトランペット音で観客を満足させてくれた。ウエザー・リポートに影響を受けたというピアノ/キーボード奏者の、宇宙志向のソロ・パフォーマンスも印象的であった。