Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
大阪の名物男が完成させた労作
2008年04月17日
きもの卸・小売りを本業としながらも、1年に数か月は海外を飛び回ってジャズ活動を続けているのが藤岡靖洋氏だ。藤岡氏とはかれこれ20年近いお付き合いになり、ぼくのラジオ番組にゲスト出演していただいたり、東京でのジャズ関係者の集いで情報交換するなどの関係である。今夜は藤岡さんが編纂された『The John Coltrane Reference』(Routledge)の出版記念パーティーのため、高田馬場コットンクラブを訪れた。コルトレーン・ディスコは初版本も立派なものだったが、それからさらに13年の歳月を費やして、国際A4版、英文820ページの重量本を完成させたのは、もう脱帽するしかない。
ぼくもビル・エヴァンスのディスコグラフィー本を出版したことがあるので、この仕事の大変さはよく理解している。それにしてもこのヴォリュームは、やはり超弩級である。会場には多数のジャズ関係者が集い、コルトレーン・ナンバーを連発した竹内直の生演奏もあって、大いに盛り上がった。