Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
スーパー・フラメンコ第2夜
2008年02月19日
「すみだトリフォニーホール」での「トマティート&ドランテ」第2夜は「ミーツ・新日本フィル」と題し、一昨日と同じく2組がステージを務めた。同ホールのフランチャイズ・オーケストラである新日本フィルと、フラメンコ・アーティストとの共演は、どのような化学反応が生まれるのか、に興味を抱いていた。第1部はドランテ・グループによる世界初演曲「スール」。王立音楽院でクラシックを学んだドランテにとって、交響楽団との共演は音楽的な接点のあるチャレンジだと位置付けられよう。ジャンルの表現領域を拡大したパフォーマンスとなった。第2部のトマティートは2004年以降、ヨーロッパ各地でオーケストラとのコラボレーションを重ねてきており、今回の演目である「ソナンタ・スウィート」は日本初演となる得意レパートリーだ。フラメンコとオーケストラの出会い・・・こちらも刺激的なステージであった。アンコールで再びグループが登場した場面では、ヴォーカルのモレニート・デ・イジョラが強力な喉を披露。すると他のメンバーが次々とスパニッシュ・ダンスで応え、観客からはヤンヤの歓声が上がった。グループのパフォーマンスに見事に呼応した新日本フィルにも拍手を送りたい。