Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
西アフリカの歌姫のエネルギッシュなステージ
2007年12月10日
90年にデビューし、世界的な名声を獲得しているベナン出身の女性ヴォーカリストがアンジェリーク・キジョーだ。ブランフォード・マルサリス、カサンドラ・ウイルソンといったジャズ系ミュージシャンとのコラボレーションも重ね、今年リリースの新作『ジン・ジン』ではアリシア・キーズ、カルロス・サンタナらポップス系とも共演。言わばジャンルレスな活動を展開してきたキジョーは、現在独自のポジションを築いていると言っていい。バンドのインスト・ナンバーに続いてキジョーがステージに登場すると、たちまち華やかな雰囲気に。アフリカン・ダンスを交えながらの歌唱は力強い。生来の喉の強さを持っているのだろう。ブルースとアフリカの関係などを曲間のMCでアピールし、最期は観客への歌唱指導と客席を廻るパフォーマンスでステージと一体化した。