Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
スカンジナヴィアン・コネクションの新展開
2007年12月06日
スウェーデン在住のベーシスト、森泰人が同国と日本の架け橋となって来日ライヴをシリーズ化してきたことは、この日記でもたびたび書いてきた。今夜は数々の秀作と来日公演を通じて多くのファンを獲得しているラーシュ・ヤンソン・トリオを「新宿ピットイン」で観た。ピアノのラーシュには過去何度もインタビューをし、国内盤のライナーノーツも執筆してきた。ドラムスのアンダーシュ・シェルベリは7月のストックホルム取材で連日顔を合わせた間柄。森さんとは飲み仲間でもある。トリオは東京での定番となっているジャズ・クラブに加えて、今回ピットインに初登場した。実はぼくが森さんに出演を勧めて実現したという経緯があって、個人的に嬉しい出演でもあった。会場は立ち見も出る超満員。しかも若い女性客が多い。ラーシュが書いているビッグ・バンド用のスコアで演奏しているアマチュア・ミュージシャンが、新しいファンとして訪れたようだ。ラーシュは最近再び禅に対する関心を深めていて、この日も本番前に瞑想していたという。代表曲「ホープ」や、一家で旅行した時の印象を元に作曲した「アイスランド」等を演奏。ピットインの初公演は大成功だった。終演後、森さんと共に六本木の行きつけのダイニングバーへ。早朝まで痛飲した。