Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
ノルウェーの新世代デュオが来日
2007年12月05日
ホーコン・コーンスタ&ホーヴァル・ヴィークを「新宿ピットイン」で観る。共に1970年代生まれの彼らは、2003年にデュオ・チームを結成。これまでMoserobieからスタンダードとジャズ・ナンバーを中心に選曲した2枚のアルバムをリリースしている。2日連続公演の2日目にあたる今夜は、ソロとデュオの2部構成だった。ファースト・セットはヴィーク(p)のソロ・パフォーマンス。ヴィークは6月に新作『アーケイズ・プロジェクト』のリリースに合わせて、ピットインに自己のトリオで出演しており、アトミックやモティーフでの来日も含めると、近年急激に日本で認知されてきているノルウェー産ジャズの、象徴的なミュージシャンの1人と言っていい。ステージでは今年リリースしたソロ・ピアノ作『Palinode』の世界を披露してくれた。時折マシンガンのような速射砲奏法を織り交ぜたパフォーマンスは、ヴィークのスキルを伝えるのに十分なものだった。セカンド・セットのデュオではアネット・ピーコック、カーラ・ブレイ、オーネット・コールマンといった個性的なミュージシャンのナンバーに加え、アルバム未収録のソニー・ロリンズのカヴァーも演奏。会場が満員とはいかなかったのは残念だが、なかなか日本に居ながらにして観ることのできないステージだけに、十分に堪能できたのだった。