Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
日本で季節を祝したNYのコーラス・グループ
2007年12月19日
N.Y.ハーレム・シンガーズ・クリスマス・コンサート@紀尾井ホール。ブロードウェイ・ミュージカルの音楽監督を務めるリンダ・トゥエインが1996年に組織したヴォーカル・グループの公演を観た。女性4人+男性3人の混声にピアノとパーカッションが加わった総勢9人のグループだ。黒人霊歌、ジャズ、ミュージカル、モータウンと、20世紀黒人音楽の100年の歴史から選曲したプログラムは、オイシイところを取った趣。このジャンルに知識があってもなくても楽しめるように構成されている。コーラス・アンサンブルの美しさもさることながら、個人歌唱に唸らされる場面も多々あって、斯界のアメリカ黒人の豊かな人材を再認識させられた。「エリントン・コーナー」や「ブロードウェイ、ブロードウェイ」はジャズ・ファンなら興味深く聴けたに違いない。セカンド・セットはクリスマス・ナンバーの特集となったが、突如登場したダンサーがサプライズ。ブレイクダンス?ヒップホップ系の動き、特に頭を支点にした回転技はすべての観客を魅了した。アンコールでは「きよしこの夜」の日本語歌唱をプレゼント。心地よい余韻を抱いて、帰途についたのだった。