Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
スムース・ジャズ・コラボのタイムリーな来日公演
2007年11月16日
このジャンルではベテラン・ギタリストのピーター・ホワイトと、若手人気サックス奏者ミンディ・エイベアの共演ステージを、丸の内「Cotton Club」で観た。所属レーベルが異なる2人は最近、新興フュージョン・レーベルとして注目を集めるArtizen Music Groupから共演作『Peter White Christmas』をリリースしたばかり。世代を超えてミュージシャンシップを築いている2人の“いい関係”は、オープニング・ナンバーから客席に届けられた。アイズレー・ブラザーズ「フーズ・ザット・レディ」や「黒いジャガーのテーマ」は、ブラック・ミュージックへのシンパシーの表れで、ぼくも共感できた。同クリスマス作収録曲からジョニ・ミッチェルの「リヴァー」を演奏する前に、選曲理由を語ったのだが、ジャズ・ミュージシャンの間で年々注目が高まるミッチェルのナンバーをこのような形でカヴァーしたのは、面白い着想だと思った。ここでミンディはヴォーカル&ソプラノサックスで活躍。バンド・メンバーではキーボードのグレッグ・カルーカス(カルーキス改め)と、ブラック系バンドの超絶派と共通するドラマー・タイプのエリック・ヴァレンタインが特筆ものだった。