Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
欧日コンボが新宿のクラブに再登場
2007年11月30日
ニクラス・ウインター・カルテット(NWQ)が5月に続いて、半年振りに「ピットイン」のステージに帰ってきた。フィンランド人と日本人各2名で編成された4人組は、近年両国を股にかけた定期的活動を重ねており、ライヴ・シーンでファンを広げてきた。今夜は過去最高となる集客に応えるかのように、ぼくが今までに観た中で最も充実した演奏を繰り広げた。ニクラスとは2005年に取材でヘルシンキを訪れた時に知り合って以来、連絡を取り合ってきた間柄。Abovoiceという自主レーベルのオーナーでもあるニクラスは、2年前に日本でのビジネスを強く希望し、その後コネクションを築いて現在に至っている。ヨーロッパの無名なミュージシャンが日本で活動することは困難が伴うが、地道な努力の積み重ねによって花を咲かせたのが今夜のステージだと感じた。演奏ではトニ・ポルテン(ds)のウルトラ・テクニックにノックアウトされた。12月にアルバムがリリースされるNWQは、今バンドとしてベストの状態にある。