Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。

3大ディーヴァの豪華競演

2007年11月10日

 イヴェント・スケジュールが発表されて以来、大きな前評判を呼んでいたのが「3 Great American Voices」。ファーギー、メアリー・J・ブライジ、キャロル・キングの3人には、まったく関連性が感じられないことも、この日本企画の謎を増幅させたのだった。関東での第1弾となる「さいたまスーパーアリーナ」公演を観た。初めて訪れたSSAは駅から至近で、東京ドームと比べると座席までのアクセスが楽だ。定刻から15分遅れでトップ・バッターのファーギーが登場。ブラック・アイド・ピーズの紅一点でもある人気者が、ソロ・アルバムをリリースし、今回のステージを迎えた。へそ出し、ミニスカートの衣装は女子高生をイメージさせるもので、会場の多くを占めていた若い女性ファンは大騒ぎだ。ブラック・アイド?メドレーも盛り込んだプログラムは、ハートの初期ヒット曲「バラクーダ」でアン・ウイルソンと同じ音域のシャウトで盛り上げる一方、キーボードのみをバックにしたバラードでは確かな歌唱力を聴かせてくれた。次にキャロル・キングが登場し、2曲のピアノ弾き語りで幕開け。最初の数小節だけで涙が溢れてきた。70年代初めからリアルタイムの洋楽を聴き始めた当時の自分が、一瞬のうちに甦り、キャロルの歌声とオーヴァーラップしたのだ。最新映像作『Welcome To My Livingroom』を再現したシンプルなステージは、ギタリスト2人が加わり、キャロルの名曲が次々と披露された。さながらアメリカン・ポップスの偉大な歴史のパノラマを観るようであった。トリを飾ったメアリー・J・ブライジは“クイーン・オブ・ヒップホップ・ソウル”そのままの貫禄で観客を魅了。まさに絶唱となった「ノー・モア・ドラマ」やメッセージ性の強い「ワン」等、魂を揺さぶる歌唱を堪能させてくれた。最後に3人がいっしょに「ダンシング・イン・ザ・ストリート」「ナチュラル・ウーマン」を歌ってジ・エンド。終わってみれば主催者に感謝したい素晴らしいイヴェントであった。

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