Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
銀座と渋谷で2つのジャズ・フェスティヴァル
2007年11月04日
昨日に引き続き「ギンザ・インターナショナル・ジャズ・フェスティヴァル2007」へ。フラヴィオ・ボルトロ・カルテット@「シャネル・ネクサスホール」。ボルトロは90年代にステファノ・ディ・バティスタとの双頭バンドで名声を高めたトランペッターだ。1曲目の「ゼア・イズ・ノー・グレイター・ラヴ」からウイントン・マルサリスを想起させる高速プレイで、確かな実力者ぶりを証明する。ミディアム・テンポの「タイム・アフター・タイム」やオリジナル・バラードなどでプログラムを構成。アンコール曲でのカデンツァも印象的だった。終演後、会場に来ていたドラマーのフランク・アギュロンと談笑。第3回となるこのジャズ祭は、昨年を上回る成功を収めたと思う。
渋谷に移動し、「クラブ・クアトロ」へ。イーストワークスのレコーディング・アーティストが出演する「Jazz Today 2007」を観る。11月初旬の「STB」連続公演に続く締めくくりの一夜だ。芳垣安洋(ds)率いる打楽器集団Orquesta Nadge!Nadge!、藤原大輔(sax)トリオ、清水靖晃&サキソフォネッツの3組が登場。それらのうちパーカッションとサックスという同種の楽器ばかりのグループが2組含まれていたのが面白い。サックス・アンサンブルによる表現を長年追求してきた清水のサキソフォネッツは、日本民謡をモチーフにした楽曲も演奏し、世界各国の同ジャンルのグループとは異なるオリジナリティも打ち出した。