Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。

邦人アーティストのショーケース・ライヴ第1夜

2007年10月15日

 イーストワークスエンタテインメント所属アーティストが出演するシリーズ・コンサート「Jazz Today 2007」が、今年も六本木「STB139」で開催された。4夜連続となるステージのトップ・バッターを務めたのは渡辺香津美。長年日本のジャズ界でトップに君臨するギタリストである。渡辺は近年、アコースティック・ギターによるソロ演奏に取り組んでおり、『ギター・ルネッサンス』と題したアルバムをすでに4枚リリースしている。今夜は吉田美奈子をゲストに迎えた2部構成だった。ファースト・セットは3本のアコースティック・ギターを弾き分けたソロ・パフォーマンス。ビートルズが大好きだという渡辺の思いを投影した「エリナー・リグビー」を皮切りに、「雲」?「マイナー・スイング」のジャンゴ・ラインハルト・メドレー等で、本領を発揮した。ガルシア・ロルカ「血の婚礼」が原作の森山末来主演舞台で、渡辺が音楽を担当した経験は、本人の芸域を広げることになったようだ。セカンド・セットではエレクトリック・ギターを主体に演奏。そしてゲストの吉田美奈子が登場し、渡辺のリーダー作での共演曲「翼」(作詞・作曲=武満徹)を披露。さらにジョニ・ミッチェル「青春の光と影」、チャールズ・ミンガス「グッドバイ・ポーク・パイ・ハット」を歌唱。かれこれ30年以上も聴き続け、単独コンサートにも行っているファンのぼくだが、「ブルーゼット」他のスタンダード・ナンバーを歌う美奈子を聴いていて、晩年のサラ・ヴォーンが浮かんだことに我ながら驚いた。ラストは渡辺のリクエストで、美奈子の代表曲「リバティ」。アンコールに応えて再び登場した2人は、「ドナ・リー」と「スイングしなけりゃ意味ないね」で、ジャズ愛を全開に。“凄技”を持つ達人の芳醇なデュオ・ライヴだった。

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