Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。

米国を代表する正統派ピアニストが来日

2007年08月07日

 作曲家の父親とヴォーカリストの母親の間に生まれ、音楽家になるべくして育ったのがピアニストのビル・チャーラップだ。5,6年前に原宿のジャズ・クラブに出演した際、ディスコグラフィーを作成していたタイミングで本人に質問したところ、「NYに帰ったら調べて連絡するよ」との返事をもらった。そして2週間後、本当に詳細なデータが記されたFAXが届いて、無事ディスコグラフィーを発表できたという経緯がある。歌伴奏の経験も豊富なチャーラップは、スタンダード・ナンバーを数多く自分のレパートリーとしていることでも知られる。丸の内「コットンクラブ」に初登場となったのは、結成10周年を迎えたチャーラップ・トリオだ。1曲目は「グルーヴィン・ハイ」。このバップ・ナンバーを、敢えてバップ色が濃くないサウンドで演奏するのがチャーラップ流なのだろう。ぼくはキース・ジャレット・トリオを即座に想起したのだが、チャーラップの発想は全く異なっていた。

 その後、レナード・バーンスタインのコーナーをはさんで、「中国行きのスロー・ボート」へ。チャーラップは超速テンポで存在感を示した。アンコールの「スターダスト」まで、ひたすら曲を聴かせることに徹してくれたチャーラップの姿勢に共感。“ワシントンズ”と呼称される共演者のピーター・ワシントン(b) +ケニー・ワシントン(ds)との協調関係も良好だった。ケニーのスネアが通常よりも高い位置にセッティングされていたのがユニークで、躍動感の原動力になっていたことも特筆したい。先頃NY“ヴィレッジ・ヴァンガード”でのライヴ盤を出したばかりのチャーラプ・トリオは、丸の内のステージでもしっくりと自然体であった。

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