Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。

スウェディッシュ・ビューティー(2)

2007年07月23日

 朝食を済ませて、午前中は市内を散策。中央に噴水があるセルゲル広場周辺を歩いていると、ガイドブックに載っていないCDショップを発見した。店内に入ると平台にディスカウント盤が並んでいて、端から順番にチェック。ジャンル分けされていないので、宝探しのような楽しみもある。モニカ・セッテルンド、ザ・リアル・グループをゲット。ジャズ・コーナーでは4枚組『Svensk Jazzhistoria Vol.9』(Caprice)を発見した。未発表音源を多数含む1960?64年のオムニバスだ。東京のショップで未見なので、これも購入。

 ホテルに戻り、午後一にインタビュー・ルームへ。スパイスオブライフの新シリーズ「スウェディッシュ・ビューティー」の第1弾となったマルガリータ・ベンクトソンに話を聴いた。ザ・リアル・グループを昨年脱退し、ソロ活動をスタートさせたばかり。そんな中での初めてのアルバム『アイム・オールド・ファッションド』は、ペーター・アスプルンド(tp)、ヨアキム・ミルデル(ts)に加えてストリングスも配した豪華な編成だ。20年のプロ・キャリアを誇りながら、謙虚に自分を語ってくれた姿が印象的だった。

 続いて9月に日本デビューを控えるリーサにインタビュー。ハリウッド映画に出演する女優としてすでに活躍しており、今回クリス・ボッティ、デヴィッド・フォスターらの協力を得てデビュー作『エンブレイサブル』を完成させた。北スウェーデンに生まれ、NYとLAで自分を磨いたキャリアは、間近で話を聞いていてもスターのオーラと共に感じられる。日本ではまだ無名だが、ジャズの枠を超えて注目されるのも時間の問題だと思った。

 取材が一段落したところで、夕食のため日本食レストランへ移動。すると隣のボックス席から声をかけられた。さきほど取材をしたリーサが女性友人といっしょに来ていたというわけ。偶然の再会を喜ぶ。寿司、刺身盛り合わせ、天麩羅を注文。店員から求められたので、日本人としての率直な意見を伝えた。腹ごしらえが完了したところで、「グレン・ミラー・カフェ」へ。今回の取材で最後のイヴェントとなる西山瞳のクラブ・ライヴである。同店は近年、 MoserobieやAyler Recordsからのライヴ・アルバムを発信している、ストックホルム随一のジャズ・クラブ。2日前にストックホルム・ジャズ・フェスティヴァルの大舞台を無事に務めた西山が、さらに同地で深い足跡を刻むべきセッティングされたギグだ。メンバーは引き続きのハンス・バッケンロス(b)と、西山とは初共演となるポール・スヴァンベルグ(ds)。ポールはスウェーデンの名ピアニスト=ラーシュ・ヤンソンの実息で、まだ23歳の若さ。

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 20: 00に始まったステージは3セット。23:00過ぎに終わった。40人超満員の観客には、同店の常連客の他、SJFのステージを観て来店したスウェーデン人も。1週間の滞在で現地のファンを開拓した西山にとっては、実り豊かなストックホルム再訪となったことだろう。

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