Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
スウェディッシュ・ビューティー(1)
2007年07月22日
日曜日のストックホルムは多くの販売店が休業のため、平日に比べると市内は静かな雰囲気だ。今日は午後一で2人の女性ヴォーカリストにインタビュー。最初は今月日本でデビュー作『ザット・ガール』をリリースしたばかりのロヴィーサである。モニカ・セッテルンドの奨学金を受けて学び、プロの道に進んだストックホルム生まれの25歳だ。スウェーデンを代表するピアニストであるベンクト・リンクヴィストが実父で、アルバムのプロデューサーも務めている。これまでの音楽キャリアやデビュー作に込めた思いなどの話を聞いた。休憩をはさんで日本デビューを控えるアンナ(Anna Sise)にインタビュー。ガンビア出身の父を持つブラック・スウェディッシュだ。ビリー・ホリデイやチャカ・カーンを好んで聴き、プロ入りしたアンナは、スタンダード・ナンバーにオリジナルのスウェーデン語歌詞をつけたことで現地では知られる作詞家の、未発表作品の使用許可を得たというラッキー・レディ。日本でその全貌が明らかになるのはもうすぐだ。
取材が終わったところで、日本人スタッフと共に約2時間のストックホルム周遊クルーズに出かけた。市内の湾岸から出発し、シェップスホルメンとガムラ・スタンの間を抜けて、ソーデルマルムを右回りに航行。あのチャーリー・パーカー『スウェディッシュ・シュナップス』のアルバム・カヴァーでも知られる市庁舎も海上から見た。それにしてもストックホルムとは水の都市。自然が身近にある環境は心地よい。
周遊を楽しんだ後は、市内のイタリアン・レストラン「CAPRI」へ。昼間郊外の墓地を散策してきた瞳ちゃん撮影の写真を皆で見ながら、同地最上の伝統的なイタリア料理に舌鼓を打った。