Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
観終わったあと、誰もがハッピーになれる映画
2007年06月07日
今秋ロードショー予定の映画『恋とスフレと娘とわたし』を、新宿・明治安田生命ホールで観た。受付を済ませてロビーに入るとシャンパンのサービス。これは嬉しい。開演前に寛いだところで、客席に座った。同ホールは342席だが、この後映画美学校などでの試写会も予定されている。まずホールで試写会を行った後に、小さい小屋で試写をするのが、映画業界の最近のトレンドなのだろうか。本作は『アニー・ホール』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたダイアン・キートンの最新作。母親役のキートンと3人娘の恋愛話を軸としたストーリーだ。今年劇場で観た『ドリームガールズ』『東京タワー』は共に2時間超だったが、長時間を感じさせないテンポの良い展開に好感を抱いた。
本作の102分の上演時間はぼくには頃合いのいい長さで、しかもTVドラマ風の画面構成もリズムを作っていた。女手1つで育て上げた愛娘のパートナーを見つけるために、母親自らネットサービスを利用してカップリングを画策する。ロマンティック・コメディなので笑えるシーンは随所に用意されていて楽しい。ただアメリカ人と日本人とでは笑いのポイントが違うなと思ったのは、母親役のキートンが新しい恋人とキス&ベッド・シーンを演じる場面。キートンの実年齢を考えると、日本では成立しにくいかもしれない。母がパティシェで三女が料理人という設定なので、美味しいもの好きの女性には支持されそうな映画だと思う。