Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
X世代のギタリストが丸の内に初登場
2007年06月14日
日中は御茶ノ水と渋谷でレコード会社関係者と打ち合わせのはしご。ぼくの立場はライター/評論家だが、ジャズ界を活性化させるためのアイデアを提供することも大切な仕事だと考えている。今日は収穫が大きかった。軽く食事をした後、丸の内「Cotton Club」のセカンド・ステージへ向かう。今夜はギタリスト=ラッセル・マローンのカルテット・ライヴだ。昨年リリースした『Live At Jazz Standard Vol.1』(MaxJazz)と同じレギュラー・メンバーでの来日である。以前は大手のヴァーヴに在籍していて、若手実力者のポジションを確固たるものにした。今夜のステージはその本領を発揮しながら、キャリアに裏打ちされた余裕の表情も見せてくれたのだった。
1 曲目が終わったところでマローンがメンバーを紹介。最後に自分を「My name is Kazumi Watanabe」と紹介して笑いを誘う。ファンキーな「スイート・ジョージア・ピーチ」、セクシーな「フラート」と、前半はオリジナル曲が中心。後半は「愛のプレリュード」「涙のかわくまで」のカヴァー曲も披露し、マローンはフルアコ・ギターをガンガンと鳴らす。マローン以外に個人的に注目していたのが、ピアノのマーティン・ベヘラーノ。最新デビュー作がインパクト大で、今月初めにはロイ・ヘインズGのメンバーとして「ブルーノート東京」に出演している。今夜はリーダー作と同様とまではいかなかったものの、弾けたソロを聴かせてくれたのが収穫。終わってみれば1時間45分の長時間ステージだった。