Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー

セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。

歌手デビュー10周年を記念した4年ぶりの全国ツアー

2007年06月21日

 2007年は舞台「ひばり」で幕を開け、映画「東京タワー」が話題を集めた松たか子の次のプロジェクトはコンサート。4月に古巣BMGへの移籍第2弾『Cherish You』をリリースし、今年は音楽活動にも取り組む姿勢を示してファンを喜ばせてくれた。今夜は終盤を迎えた全国ツアーの中野サンプラザ公演を観た。会場の前には長蛇の列が出来ている。以前オーチャードホール公演の時も思ったのだが、会場が30分前というのは無理があるのではないか。入場したはいいけれど、グッズ売り場も人だかりになるからである。3000円也のプログラムは、通常のコンサート・プログラムのイメージとは異なるハンディな判型の写真集的な作り。リハーサル風景などが収録されており、これはやはりファンにはお宝ものだ。ぼくの座席は11列目の中央。定刻から10分遅れでコンサートは始まった。バンドはギター、3リズム、ヴァイオリン、コーラスで、管楽器はなしのシンプルな編成。前回はジャズ、フュージョンでも活躍する山本拓夫(sax)がいい仕事をしていたが、彼の不在を金子飛鳥(vln)が補っていた。というか今回のステージはそういうサウンド・コンセプトということだと思う。

 金子は前回はゲスト参加だったが、今回はバンドの一員としての全面参加である。たかちゃんは曲によってキーボードを弾きながら歌ってSSWの一面を印象づけたり、ピアニカを演奏してパフォーマーぶりも発揮した。ステージ後半は10周年を記念した代表曲のメドレーを披露。この時点で観客は総立ちに。ベストセラーやミリオン・ヒットとは無縁のたかちゃんだが、いい曲が多いことを改めて体感した。衣装替えのために引っ込むこともない2時間出ずっぱりのステージ。でも最後まで声量たっぷりで、ステージ運びにも余裕があった。これは女優として厳しい舞台を数々経験してきたことの賜物だと思う。本人にとっては芝居よりもコンサートの方が楽だったのではないか、と思えるほどだった。メンバーを一新したバック・バンドの好演に好感。中でもバック・ヴォーカルの大滝裕子が素晴らしく、アイドル時代から20年以上にわたって活動している魅力を再認識した。女優のキャリアが音楽活動にいい形でフィード・バックしているたかちゃん。独自のポジションを確立していることを実証したステージであった。

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