Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
新世代オーガニック・ジャズ・ヴォーカリストが
2007年05月31日
昨年リリースされたデビュー作『ユアーズ』がiTunesトップ・ジャズ・チャートで1位を獲得するなど大きな反響を呼んだサラ・ガザレク。1982年シアトル生まれのフレッシュなヴォーカリストである。第2弾『リターン・トゥ・ユー』の日本発売の直後というグッド・タイミングで、サラが3度目の来日を果たした。新作は前作以上にポップ曲の比重が高まっていて、ジャンルに縛られないヴォーカル・サウンドに仕上がっている。今夜は丸の内「Cotton Club」でのステージ。
レコーディング・メンバーでもあるレギュラー・トリオを従えて登場した。ぼくは約1年前に同じ会場でサラの初来日公演を観ているのだが、プログラムが進むにつれて歌唱・ステージ運び共に成長していることを感じた。今回を含む来日公演がすべて「Cotton Club」への出演ということで、サラが日本でのホームグラウンドと感じ、それがリラックスしたパフォーマンスに好作用したとも言えよう。スタンダード・ナンバーの「アイム・オールド・ファッションド」では、グロッケンシュピールを演奏しながら歌唱。パフォーマーとしても進化している姿を見せてくれたのが収穫だった。