Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
邦人ビッグ・バンドの定期公演
2007年05月20日
春と秋、年2回のホール・コンサートが定例化している角田健一ビッグ・バンドは、このジャンルで日本屈指のレギュラー・バンドとして高い評価を得ている。今日は「紀尾井ホール」での定期演奏会を観た。毎回テーマを決めてステージに臨む彼らは今回、デューク・エリントン、カウント・ベイシーからチック・コリア、さらには重要なレパートリーとなっている武満徹まで、ヴァラエティに富んだ選曲を用意。2部構成で2時間半近いパフォーマンスを務めた。客席を見渡すと、小中学生の姿がある。
学校教育の一環なのか、それとも「スウィング・ガールズ」効果なのか。角田BBが子供たちに教育的効果をもたらしているのなら、ジャズ関係者としてこれほど喜ばしいことはない。最初はアンサンブルの素晴らしさを披露し、やがてメンバーの個人的な魅力をフィーチャーしてファンの共感と笑いを呼んだステージ進行に、定期公演を重ねてきた角田のリーダーシップとエンタテインメント性を感じた。ソリストではトランペットの宮本やすしが大活躍だった。「ビッグ・バンドよ永遠に」をポリシーに掲げる角田BB。今後もその志を貫いてほしいと思う。