Jazz Diary 杉田宏樹のジャズダイアリー
セブンオークスとコラボレートしている音楽評論家の杉田宏樹さんによる「ライブ・ダイアリー」です。
日本におけるイタリア2007・春
2007年05月11日
現在イタリアの文化・芸術・グルメ・観光等々を日本に紹介するイヴェントが各地で行われている。今夜は「中央アペニン・トリュフ街道セミナーとウンブリア・ジャズ・コンサート」が、九段のイタリア文化会館で開催された。まずイタリア人担当官が、ジャズ・フェスティヴァルの本拠地であるペルージャと同祭の歴史を紹介。そして特産物であるトリュフの魅力を語った。その後ピアニストのダニーロ・レアがステージに登場し、50分間のソロ・パフォーマンスを披露。 1957年ビチェンツァで生まれ、ローマ音楽院で学んだ後、75年からプロ活動を始めたベテラン。
近年トリオ作が日本発売されて、ようやくこちらで認知されたという経緯がある。ソロ・ピアノは「イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー」「枯葉」といったスタンダードを織り交ぜながら、15分間連続の演奏を展開。さらにイタリアゆかりのナンバーも取り上げながら、個性を浮き彫りにする。ドン・プーレンを想起させる右手の動きを含めて、パーカッシヴなプレイは、アルバムを通じて抱いていたイメージを嬉しく覆すものだった。終演後そのあたりの事情を、国内盤を制作した原プロデューサーからヒアリング。ロビーでの立食パーティーはイタリア料理と、直スライスのトリュフが振舞われて大満足だった。